2020年、新型コロナが猛威を振るい世界中で問題となりました。
現在日本では落ち着いてきましたが、これをきっかけに感染症とはいったい何なのかということに興味が出てきたので、kindleunlimitedで探して読んでみたのがこちら。
専門用語などもほとんどなく、感染症の知識が乏しい自分でもすごく読みやすく感じました。
そして内容もほどよく濃く、すらすらと読める感じの内容でした。
エボラ出血熱のことについてかかれてあるのですが、こんな恐ろしい感染症が世の中にあったことを知らなくて、読んでから世界を見る目が少し変わってしまった。
「エボラ出血熱」という名前自体は何度も聞いたことがあったのですが、その内容を全然わかっていなくて、今回こちらの本を読んで初めてその症状や状況などを知ることができました。
この本を読む少し前にAmazonプライムビデオで映画を観たのですが、きっとエボラ出血熱を参考に話がつくられたんだろうなと思いました。
この本と直接的な関係はありませんが、日本で起こった場合の医療崩壊などが想像しやすくなると思うので個人的にこちらもおすすめです。
西アフリカ各地で流行したエボラ出血熱がどのように発生したのか、何が起こっていたのか・・・この本を読んでこんなことが起こっていたことを知らない自分にも恐怖を感じてしまった。
「現地の医師のほとんどがエボラ出血で亡くなり医療体制は完全に瓦解」
「国境なき医師団が開設した治療センターは常に満床、センターの前には長蛇の列ができ、患者はその場で重症化してなくなっていった」
「政府の埋葬チームが賃金問題でストライキを起こし、通りにエボラ感染者の遺体が置き去りにされる事態となっていた」
こんな悲惨な事態が起こっていたとは。
事態が収拾したことは、やはりアメリカをはじめとするさまざまな国々の支援があったからこそなんだと思い知らされた。
エボラの患者は重症で容易に出歩くことができなくなるそうで、インフルエンザとは違って感染拡大がしにくい。
それでも、エボラについて知れば知るほど楽観視もできないんだなということを痛感。
やはり飛行機など、世界中の人や物があちこちに行き来できる現代は、それだけ感染が世界に広がる可能性をひめているのだということがわかりました。
今現在風土病(その土地特有の病気)とされているものも、温暖化などによる気候の変化などにより、場所を変えて発生するという事態にもなってくる可能性があるということです。
この本ではその脅威についても詳しく書かれている。
キーワードは都市の人口過密で、大都会は感染症が流行しやすい環境だということです。さらに「高速大量輸送」によって感染症は世界各地隅々にまで運ばれてしまう。
これが現代の脅威だということです。
2014年のエボラ出血熱の流行が現地の人々や国境なき医師団、そして国際社会の支援や協力のもとに収束しても、いつかまた再び、エボラのアウトブレイクが発生し、それが思いもよらぬ拡大を起こすようなリスクが残されていることは、私たちの置かれた環境が改善されない限り変わらない。
いや、エボラウィルス以外のほかの感染症の流行、パンデミックの可能性もあるだろう。
21世紀を生きる我々はそのような視点に立って、様々な感染症に向き合っていかなければならないのだ。
と、21世紀はウィルスと向き合っていかなければならない時代だということがわかります。
新型コロナは収束しそうですが、それが終わってもまた違うものがすぐに出てきてしまう可能性があるということを私は十分に理解しました。
この一冊を読んで、かなり大きく知見を広げることができました。
自分の国を守るだけではなくて、国際支援がいかに重要なのかもわかった。
ラストには、『エボラが日本に上陸したら』というシミュレーションがエピソード1からエピソード4まで、起こりいうる想定から最悪な状況までを詳細に書かれています。
とりあえず現在の日本の状況では本当に最悪なことが起こらない限りは拡大することの方が難しいということがわかったことと、自分は思った以上に国に守られているんだなということも感じられて本当に良かったです。
対策についてもしっかりと書かれているので、今後不安に陥らないためにも読んでおくべき一冊だと思いました。