無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

『バイオパンクーDIY科学者たちのDNAハック!』感想

前から気になっていた本がAmazonプライムのお試し体験期間で無料だったため読んでみました。

この本を読んで見える世界が変わりました。

世の中には本当に色々な人がいるなと。

 

2003年にヒトゲノム・プロジェクトが完成していたことすら知らなかった私ですが、この本を読みながら理解していきました。

もう人類は自分のDNAを読み解いて、様々な現象や疑問を解き明かそうとしているところまできている・・・。

 

DIY科学者たちのDNAハックとは、自分の遺伝子情報を自分で検査して色々自分でやっちゃおうと、簡単に言えばそんな感じのことで、本の内容はそんな自宅のキッチンやガレージでハックしている実在する人物たちの物語です。

 

2012年に発行されたものなので、8年も前のものになりますが、私にとってはどれも目新しい内容ばかりでした。

 

この本の中に出てくる人たちは、政府機関や製薬会社など産学官の既得権者だけではなく、ごく一般の人でも自由に手軽にDNAをハックできるようになるべきだと主張しています。

そうすることで迅速に世の中の色々な病気や困りごとなどが解決されていくんだと考えている人が多々いるんだということが窺えました。

 

著作権や所有権や特許などというものがありますが、そういったものが進歩、発展を妨げているんだと思う派と、そういったものがあるからこそ逆に意欲をかき立てるんだという意見が対立しています。

 

イノベーションはガレージで生まれている』という言葉が強烈で、非専門家という立場の人が自分のペースで自分の気になる部分を自分のスペースで行っていることに衝撃を受けました。

 

コンピュータのプログラミングとDNAコードは驚くほど似ているらしく、コンピュータへの命令がプログラミングでできるのなら、生命体への指示もプログラミングできるのではということで、生命を自在にデザインできる時はもうすぐそこにせまっているのかもしれません。

 

この話を聞いて私自身はわくわくしてきたのですが、当然「こわい」と思う人もいて、それこそ倫理的な問題に関わってくるので「可能」になったとしても、実現するかどうかはまた別の話になってくるのかと思います。

それでも病気や障害などがこれから解決されていくのかと思うと本当に劇的な進歩を遂げたのだと感じられます。

 

 この本の中ではやはり個人で遺伝子を操作している=危険人物というということで途中でFBIに目をつけられてしまう場面もあるのですが、最終的には和解して敵対することなくやっていくことになります。

 

「オープン性はイノベーションを育てるが閉鎖的な階層主義は硬直化を招き、進歩よりも政治的かけひきが横行する社会をつくる」といったような信念を持っている人が多々いて

組織に属するのが苦手な私にとっては妙に親近感の湧く本だったと思います。

 

ただ彼らが現在自主的に活動できているのは既成組織あってのものなので、真っ向から否定できるものでもないですが、様々な立場の人が様々な方法で情報やツールにアクセスし自分でハックしたりできることはこれから重要になっていくんじゃないかなと私は感じました。

 

不老不死や老化現象、それから癌についてももいずれは解決されるもののように書かれてあり、夢だったことがこれから現実になっていくのかもしれないと考えると想像力を掻き立てられます。

 

 

そして遺伝子工学や生物、病気や健康などについてももっと深く知りたいと思うようになりました。

 

 

バイオパンク DIY科学者たちのDNAハック!

バイオパンク DIY科学者たちのDNAハック!