無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

読書レビュー『シャーデンフロイデ~他人を引きずり下ろす快感~』中野信子

 

私は組織が苦手なのですが、その理由に(自分を含めて)人間の醜さが透けて見えてしまうことにあります。

一人の時間が多く取れるときには自分が自分でいられるのに対し、ひとたび組織に属すると、“以前の自分の考えはどこにいった?”と思うことがよくあります。

そのことに不安を覚えてしまうんですよね。

 

普通は所属することによって安心感を得るというのが、私にとっては逆に不安の要素となってしまうのです。

 

そして、今まで生きてきた中で、多数のいじめや陰湿ないびりなどを目撃してきた。

私自身も少なからず加害者、被害者、傍観者としてそれぞれ経験してきた。

また、自己犠牲の精神や正義感などからなんとなく仲裁に入ってみるなどのことを試してみたこともあった。

 

純粋に、なんでそんなことが起こるのだろう?という疑問があったので、脳内では何が起こっているのだろうという興味から脳科学中野信子さんの『シャーデンフロイデ』という本を読んでみました。

 

シャーデンフロイデとは

自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い 感情

 

「愛」や「正義」という言葉は一見甘美であるが、それは同時に妬み感情に繋がってしまうものであるという。

これには“幸せホルモン”と呼ばれている『オキシトシン』が関わっている。

そのオキシトシンとはどんなものなのかが書かれている。

 

他人が引きずりおろされた時に起こる快感。

これは醜い感情のように思われるが、誰にでも備わっているものである。

 

一見その人の性質といえるような言動も、“脳内物質に影響されているだけ”だとしたら、世の中や人に対する見え方も変わるのではないだろうか。

 

様々な実験内容などをもとに語られていて面白かったです。

 

この本を読んで、組織に馴染めない自分は社会性が身についてないのだなということも再確認した。