無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

『縄文文化が日本人の未来を拓く』読書感想

 

一年か二年くらい前から、古墳が気になり調べていたのですが、その繋がりで縄文遺跡に興味を持つようになりました。

 

一時期その熱はおさまっていたのですが、再度浮上。

たまたま気になるタイトルの本をみつけたので読んでみた。

Unlimitedで読むことができたのでありがたい。

 

 

まず全体の感想を簡単に書くと、凄く良かったです。

たぶん今年読んでよかった本ベスト3には入ると思う。

(まだ3月ですが笑)

 

縄文時代についてはほぼ無知のまま読みました。

知っていたことといえば、縄文土器と縄文遺跡。

イメージとしては未開の人間で、質素な暮らしぶりをしていたんじゃないかと思っていた。

 

しかし中身を知って、イメージは大きく変わります。

この本では縄文時代

〝1万年以上にわたる自然と共生した歴史〟と表現しています。

 

現代の文明がどうも肌になじまず、自然に還りたいと日々思っている自分にとってはとても素晴らしい響きです。

 

ここ最近は〝日本は他の国とは違う〟ということを、日本人だけではなく、海外の人の口から聞くようになった。

どうやら本当にそう感じるようなのです。

 

日本に長らく住んで今の生活に慣れてしまったものとしては、いまいちその意味がわかりません。

たぶん多くの日本人も〝他の国と大した変わらない〟と思っているのではないでしょうか。

 

しかし、この本を読めば、なぜ〝違う〟と言われるのかがわかると思います。

根本が違ったのです。

 

私事になるのですが、一昨年あたりにアハ体験のようなものをして、なんか忘れていた日本の歴史的なものがパッと一瞬にしてすべて、色んな方角から戻ってくるような感覚を得たことがありました。

その時の感覚を照らし合わせてこの本を読むと奥深さが増します。

 

そして日本の文化はどの文化よりも強靭で奥深いものだということが感じられます。

今まで習ってきた歴史とは真逆の感覚ですよね。

 

 

 

実際にはそのつもりがなかったとしても、縄文文化がないがしろにされていたことには悪意を感じてしまうところ。

つい最近までは小学校の歴史から旧石器時代縄文時代が抹消されていたとのこと。

 

私の頃の教科書には縄文時代はありましたが、情報はほぼなく、印象はあまり残っていませんね。弥生時代も同じく印象は残っていない。

 

ただ、日本は世界に比べて文明開化がかなり遅れていたと言われていますが、この本を読んで、もしかしたら違う可能性があるのだということがわかってきた。

年代を照らし合わせるのは得意ではありませんが、そんな私にもわかるくらい、内容が面白くわかりやすい。

 

海外から文化が入ってくる前に、日本独自の文化が存在していて、それは未発達なものではなく完成されていたということ。

縄文時代は戦争などの痕跡がなく平和な時代だったということはよく聞く話ですが、縄文時代の暮らしぶりや、世界観を感じれば、それは必然であるかのように思います。

 

 

農耕が始まったのが弥生時代と言われていますが、縄文から時代が弥生に変わるときに何が起きたのかということは非常に興味深いです。

この本ではそのことについてまで深くは触れられてはいませんでしたが、寺や神社、古事記などその成り立ちなどが書かれていて、日本に対しての考え方が奥行きをもったと思います。

 

なんとなく、縄文人がどんな風景を見て、どんなことを思っていたのかなどを想像することができて、とてもいい本でした。

 

これからも縄文については色々と知っていきたいと思います。

 

今の社会はなんかおかしいぞ、息苦しいぞと思っている人には特におすすめしたい本です。これからの生き方のヒントが見つかるかもしれません。