無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

読書『文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る』感想 レビュー

 

 

数年前ならば絶対に読もうとは思わなかったであろう「物理学」についての本を今回は読んでみました。

 

 

 

目次を読んでみて面白そうだなと思ったことと、素人でも読みやすそうだなと思って読んでみたのですが、まさにその通りでした。

 

〝難しい計算まではわからなくでいい〟と書いてあり、「何を書いているのかさっぱりわからない」という状態にはならずにすみました。

 

とはいいつつ初めて見る言葉もあったので一通り読んでみたあとに、ネット検索で色々と調べながら読んだので理解が深まったんじゃないかなと思います。

 

 

物理学を知っていると、見える世界が変わり、世界が変わる

世の中はもっと深くも、細かくも、広くも、美しくもなる

 

と書いてある通り、この本を読んでから私の世の中に対する見る目が変わり、奥深くなったと思います。

 

 

まず本の序盤では「物理学を使って株価の動きを予測できる」といった話が出てきます。実際にそんなことをしている人がいるのか?と、とても興味をそそられます。

 

なんとこれに関しては、実際に実践して大きな成功を収めている集団がいるというのだから驚きです。

そのグループは金融や経済に関わる人材を一切雇っておらず、社員は物理、数学、統計学に精通している人が多いのだそうです。

 

 

 

その他には普段使っているスマホについて、メールや電話はなぜ遠くまで届くのかといった身近な疑問についても書かれていて、読んだ後にはよく何も理解もせずに今まで使っていたもんだと思いました。

 

もし電波が目に見える光だったなら、世の中は電波だらけで「邪魔だな」と思うほどだろう

 

 

 

 

 物理学はどんな学問なのか?や、理論はどうやって認められるのかといったこと、なぜ雲は落ちないのか、空はなぜ青いのか、夕焼けはなぜ赤いのかといった身近なものまで、初歩的なことから書かれているのでとてもやさしい。

 

地球温暖化はまだ完全に解明されているわけではなく、人間の活動だけではなく銀河系の動きに関係しているかもしれないという話も興味深かったです。

ひとつの要因だけで説明できるものではないということがわかりました。

 

 

 

地球外生命体はいるのか。

これについては映画の中の話やオカルトいったイメージがありますが、物理学者の間では真剣に議論がされているという。

 

この章の話の中で驚いたのが、地球にいる生命は地球から生まれたか、宇宙からやってきたかという二つの説があり、現在では後者の説の方が有力だとされているという話です。その方が時間的にも辻褄が合うとのこと。

 

 

となると、やはり地球以外にも生命がいてもおかしい話ではない。

今地球にいる生命の元となったものが、宇宙空間のどこかにいるという可能性は十分にあるということになります。

 

 

 

 原子を分解すると何になる?という章では、この世のあらゆるもの全ては原子で成り立っているという話から、それがどのように証明されたのか、原子を分解するとどうなるのかといったことが書かれています。

 

正直なことを言うと、私はこの世のあらゆるものは原子からできているという中学生レベルの事ですら最近まで知らなかったわけですが、この100年余りの原子についての出来事と、関わった人物がわかりやすい流れで書かれていて読んでいてとても勉強になったし面白かったです。

 

 今までわけがわからなくなってしまっていた原子やら素粒子やらの関係がスッキリとしてよかったです。

 

 

 

私たちは死んだらどこへいくのか

 

私たちは命が尽きたら荼毘に付され、体を構成していた酸素や炭素、水素、窒素などは気体となって地球にばらまかれ、そのうち他の生命などに取り込まれながら、どこかでリサイクルされていく。

いわば輪廻のようなものだ。

 

 自分の体を作っている原子や陽子、中性子クォークに壮大な歴史があり、元をたどれば宇宙のどこかを漂っていたはずだという話はとても夢があります。

 

恐竜の体の中にいた時期があったかもしれないし、海底にひっそりと沈む岩の一部だったかもしれない。

 

この文を読んで、自分を作っている原子が記憶を持っていて、なんらかの形で辿ってきた道がわかることができたらどれだけ素晴らしい事なのだろうと思ったのですが、ページをめくったらすぐに答えは出ていました。

 

〝その歴史を紐解くことはできない〟と。

 

原子は無個性で見分けることができないのだから、その変遷は辿ることはできないのだそうです。

 

時代が進んで技術力も今よりさらに上がった頃に〝実は情報が刻まれていました〟なんて事になったりはしないものなのだろうか。

 

 

 時間と空間、相対性理論についても出てきたのですが、ここは難しすぎて完全に理解することができなかった。

わからなかったので色々と調べながら読んだのですが、完全に理解できるまでにはまだかかりそうです。

 

 

宇宙について、ブラックホールワームホールが出てきた辺りでは頭をかかえてしまった。

しかしこういった私からすると現実的ではないことについても真剣に研究されていることを思うと、この先の未来の可能性はどこまででも広がっているんだなということがわかります。

 

 

 タイムマシンや多世界解釈(パラレルワールド)、量子コンピュータ、トンネル効果、重ね合わせなど、本の後半は読んでいて驚くことばかりで、今後世の中を見る目が変わりそうです。読んでよかったです。

 

三回ほど読みましたが、読み返してみるたびに新たな発見があります。

あと何回か読み返してみよう。