「だるい。めんどくさい。働きたくない。」という文から始まる一冊です。
この本は
・純粋に生きてきた人
・順風満帆な人
・努力が好きな人
・そこそこうまくやれている人
は理解しがたい本だと思います。
逆に
・何をやってもダメな人
・とにかく人や仕事が嫌いな人
・そんな自分が嫌いな人
・眠くて仕方ない人
・この世界は地獄のようだと思っている人
は読んだ方がいい本だと思いました。
そもそも本を読む事=知識をつける、意識を高めるなどのイメージがありますが、
こちらの本は「ダメな自分だけどそれでもいい」と思える本です。
本文より
『「人間はちゃんと会社に勤めて真面目に働いて結婚して幸せな家庭を作るのが当たり前の生き方だ」という社会のルールにうまく適応できなくてしんどい思いをしている人が、いろんな生き方があることを知ることで少しでも楽になればいいなと思って書いたものだ。』
何故適応できないのか
原因はなんなのか
直す方法
などの本はありふれていますが、
この手の「ダメな自分をそれでもいいと受け入れて生きて行く」というのは新しいタイプの本だと思います。
『ニート』という言葉が頻繁にでてきますが、なんのためらいもなく一般の人にはダメに見える事をあけすけに書いているのでとても気持ちがいいです。
日本は豊かな国のはずなのに、若者が閉塞感を感じてしまうのは何故かというところでは〝日本の経済がまだ成長しているころに作られたルールや価値観が生き残っていて、それがみんなを縛っているせいなんじゃないかと思う〟といった文にはなるほどなと思いました。
ニート=ダメな人みたいなイメージがありますが、私は著者は頭が良すぎて世の中に馴染めない人なのではないかと思います。
インターネットの活用法とありますが、シェアハウスや、小銭稼ぎ、保険や年金のことなど様々なことが参考になります。
常識とは違う事が書いてあるのでかなり面白いです。
著者の正直すぎる生き方と面白いくらいに一般的にはダメな奴具合が逆に気持ちがいい。
しかし、世の中にいる〝死にたいぐらいにこの世界が嫌だ〟と思っている人にとっては救世主のような存在ではないでしょうか。
毎朝決まった時間に起きて決まった場所に行くことを繰り返すのが苦痛だったというところには共感しかありません。
この本では、ニートを全面的に肯定する事だけではなく、諦めなくてはならないことなども書かれていて、現実的に脱線する方法が書かれています。
更に資本主義や社会主義についての真面目な話から日常の性欲についてまで内容は幅広いです。
むしろ最先端
・必要なものを最低限だけ持って、あとは借りたりシェアでいい
という考え方はむしろ今の時代にあっては最先端です。
この本を読んでいると定職についてなくても、お金がそんなになくても生きていけるということがわかります。
ただ、積極的に情報を収集する能力だけは必要だと思います。
この本のなかでは『ニートのためのブックガイド』といって、ニート気質の人が役に立ちそうな本の紹介がされています。
純粋に面白そうなので読んでみたいと思います。
『できれば年を取っても若者や新しいものを無闇に否定するんじゃなくて、いつまでも新しいものを面白がりながら生きていたいと思う。』というところには特に共感。
他にも本を出していて面白そうなので読んでみたいと思います。
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 16人 クリック: 1,642回
- この商品を含むブログ (103件) を見る