無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

『日本再興戦略』落合陽一 読んでみた感想 レビュー

 

 

 

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 

 Amazon unlimitedにて発見したので読んでみました。

テレビなどでもちらほらと出演していて、知名度の高い人物です。

 

サラッと読もうと思えばサラッと読めてしまうし、じっくり読もうと思えばじっくりも読める。

 

最新のテクノロジーについて、そして横文字と独特の言葉の組み合わせが多く、いろいろと調べながら読んだので、読み終わるのに時間がかかりました。

 

 

まず「欧米という概念について見直す」ということについて。

今の日本は自虐的な批評に飽きて、自信を喪失している

これが「日本はすごい」と自画自賛するコンテンツばかりになっている要因だとのこと。

 

そして日本が自信を取り戻すには

・過去において日本は根本的に何がすごかったのか

・何がすごくなかったのか

というとについて常識を更新しながら考えることが必要になってくるという。

 

 

私は歴史にあまり詳しくなかったのですが、今の日本の成り立ちがさらさらと書かれていたので調べながら読んでいたのですが、今まで本当に自分の生まれた国のことを何も知らずに生きてきたんだなということを思いました。

 

我々は一体何を継承してきて何を継承していないのか

これを正確に把握した上で今後勃興するテクノロジーとの親合性を考えながら日本再興を考えていくことが重要とあります。

 

 

1945年以降の日本は、官僚がトップダウンで政策をつくった世界だったので、一個人は自分の考えを明確に持たなくてもいいように道筋が立っていた。

しかし、現在は「個人の時代」を迎え、「意識改革」というものが必要となってくる。

 

 

この本によると、とにかく今の日本の意識は相当にネガティブなのだそうだ。

日本に住んで、バブル崩壊後に生まれてその中でずっと生きてきた自分にとっては、今の意識がネガティブなのかすらわからない状態だったので、もう少し歴史を知り、客観的に日本というものを見る目を持たなければいけないのだなと思いました。

 

 

 

今の社会システムの在り方であれば、生産性が低いのは当たり前で、教育も「人に言われたことをやるのに特化していて、新しいことを始めるのに特化していない」ことが現在ネックになっているということです。

 

 

 

 

 

 

ヨーロッパ由来のもので日本に合わないとされているものの一つが、ワークライフバランスという考え方です。

仕事とプライベートを区切る現代の働き方はもともとの日本人の働き方ではなかった。

仕事の中に生き、それがストレスなく一致しているというのがもともとの日本人の生き方であったと書いてあり、むしろその時代の方が先進的だったのでは?と私は感じてしまった。今のこの時間で管理されている世界はあまり好きじゃないです。

なので、妙に納得してしまった。

 

 

拝金主義についてもとても思うところがありました。

どのようにして日本に拝金主義が浸透して、どうやったら日本が拝金主義から抜け出すことができるのかについて書かれていて、自分も自分の家族もその周りも拝金主義の中にいたのだなとすごく感じました。

これにはマスメディアの影響が大きいとのこと。

 

 

そしてこういった考え方を変えるのに重要なのはやはり教育ということになってきます。

子供への教育も当然大事ですが、大人の教育も必要となってくる。

子供の場合はまだ学ぶ場所と、学ばなければいけないという意識がありますが、大人は学校を卒業してから勉強するという行為自体が縁遠くなっていく人がほとんどなのではないかと思います。

この本では「大人に対して教育効果が大きいマスメディアを10年間かけて変えるしかない」と書かれていて、本当にその通りだと思いました。

テレビの情報を鵜呑みにしている人も多いので、テレビが教育の要素を含んだものになれば、それこそ意識改革というものに近づいてくるのではないかと思います。

 

 

 

 

これからの日本再興戦略に必要なものとして、

AI、AR、VR、5G、ブロックチェーンが出てきます。

これらのものが今後の世界を大きく変えていく。

そしてこれらの本質を理解していないと、日本再興戦略を描くことはできないとあります。

 

 

本質はなんなのか、本を読み進めていくと「最適化を目指せる」という言葉が出てきます。

 

 

 

今までの社会というものは、「健常者と障碍者」や「男と女」「ワークとライフ」といった二項対立で物事を見ていた。

これからはその考え方から脱することが重要になってくる。

物事をグラデーションで見ずに0か1かで見ていたのが現代までで、これからはその対立が起こるような考え方がなくなっていくということです。

 

 

つまりそれは、全員に同じ教育をして同じような人間を育てるのをこれからの時代はやめなければいけないということになってきます。

 

 

テクノロジーによってこれから世の中が変わっていくということですが、問題になってくるのはテクノロジー恐怖症ではないでしょうか。

 

私自身は「人と機械が融合していく」と聞いて、まったく違和感もなく、むしろ早くそういった世界になればいいなと思っているタイプなのですが、周りはテクノロジーとかロボットというものに嫌悪感を抱いている人が少なくないです。

 

 

 

テクノフォビア(テクノロジー恐怖症)とはこの本によると

当人たちはIT機器に囲まれてテクノロジーの恩恵を受けつつそれらを批判するというちぐはぐな状態が生まれている

とあります。

 

こういった人たちに対して「例示と対話で説得できるのではないかと思っている」と書かれています。

 

〝例えば「ロボットアームに自分のおむつを替えてもらうのと人間に替えてもらうのとどちらがいいですか」と聞くとロボットアームとなるはず〟

 

この文を読んでなるほどなと思った私は、身近にいるテクノロジーに嫌悪感を抱いている人に話の流れで同じことを聞いてみたらやはり納得していました。

 

 

このようにわかりやすい例示を出すことで、新しいテクノロジーを受け入れやすくなるのだそうです。

 

そして日本は西欧諸国など他の国に比べて機械との親和性が高いとのことです。

アニメなどで昔からなじみがあるので、やはり脅威として捉えるよりも、ドラえもんのように困ったら助けてくれるといった意味合いで捉えている人の方が多いのではないでしょうか。私はそう思いました。

 

 

 

ということでここら辺でレビューを終わりたいと思います。

本当にさまざまな角度から、日本再興についての道筋が書かれていてどの部分を書こうか迷いましたが、一部を抜粋維してレビューしてみました。

 

今がまさに時代の変わり目なのだなとつくづく感じました。