無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

読書レビュー「人生のシフトダウン“終わってる人”の一発逆転メゾット」

 

 KindleのUnlimitedにて、インパクトのある表紙の本があったので読んでみました。

私自身“終わってる人”という自覚があり、本の内容は大体共感しながら読んでいました。若者の間では結構もうこちら側の生き方にシフトしている人も多いことでしょう。

 

書いてあることは本質的でとても深いのですが、現代の事例を交えて軽い感じで書かれているのでさっぱりと読めてしまう。

古人の小難しい哲学書とか読みたい人はまずこういった本で慣らしてもいいんじゃないかというくらいです。

 

今の社会制度でうまくいっている人や、流されるのが苦ではないに人はこういった考え方は必要ないですが、何か違和感があるのであれば、考え方の幅を広げるという意味で読む価値があります。

 

気持ちがいいのは、この本の中で、年収が高い人も低い人も等しく奴隷だと言ってしまっているところ。

エラい人々は、奴隷のモチベーションを下げないように格差、クラスというものを巧みに利用しているのです。

組織などの中で公には言えないですが、私も心の底から奴隷だとそう思っているし、今すぐにできるのであれば世の中のシステム全部から下りたいくらいです。

 

私の場合はほとんど人付き合いがなく比較対象すら身近にいないので惨めな気持ちにすらならないので、そのあたりは楽だなと思います。

 

では実際にどうやってシフトダウンするのかということが、実践編に詳しく書かれていて参考になると思います。とてもいいことが書いてあります。

 

 

以前にもこの著者が書いた別の本を読んだことがあるのですが、ゆるく生きるにはとてもいい内容になっています。

といっても世の流れに逆らう生き方ではあるので、そういった意味では難しいことでもあります。

読書レビュー『イノベーター「出る杭」の本質思考ーGAFAを超える発想法ー』

 

ここ数年、本当に日本どころか世界の活気がなくなっているような気がします。

「出る杭」という言葉すら、すっかり聞かなくなった。

 

あまりビジネスのことは詳しくない私ですが、「本質とはなんなのか」ということや、ソニーGAFAなどのイノベーションを起こす企業について知っておきたいと思いこちらの本を読んでみました。

 

自部門より会社全体を重んじる人材は打たれ、会社より社会を重んじる人材は打たれることになる

世の中は部分最適を重んじる人が多数派で、全体最適を重んじる人は少数派なのだそう。

よくよく考えれば人間ってそういうもんだよなとわかるのですが、もし自分が少数派なのだとわからずに主張をすれば「自分勝手な奴だ」と誤解され、理解されずに打たれてしまうということになるのかもしれません。

 

ここで大事なのはやはり個人それぞれが「本質」とはなんなのかを考え、それを見極める力になってくるのだと思います。

 

本の著者が務めていたソニーでは常に出る杭を求めていたという。

そして、当時のソニーAppleが追いかけ、AmazonMicrosoftの創業者もソニーに憧れていたという話が載っています。

 

 

読んでいて思ったのは、ビジネスに疎かったとしても「本質に迫る」という点では、日本人が長けているのではないかということです。

 

ただ、やはり本質に迫れば出る杭として打たれてしまうという流れが今の社会で出来上がっているのかもしれません。

それは人間同士だけではなく、国同士でも起こりうることなのではないかと私は考えます。

 

この本の中でも「出る杭は絶滅危惧種なのではあるまいか」書かれていますが、日本だけでなく、世界全体を見てもそのように思います。

 

戦後現在の経済体制ができあがってから現代までの変遷を辿り、今の世の中がどういった状態なのかを知るという意味でビジネスマンにとって考える糧になる内容だと思います。

読書レビュー『日本霊能者列伝~正しき霊統を継ぎ、天から降ろされた者たち~』

 

ここ一年くらいで、“何もないところから物を出現させるとはどういうことなのだろう?”といったことを、ふとした時に考えるようになりました。

 

YouTubeの動画で長南年恵さんという昔の霊能力者を知ったきっかけに、日本の霊能力者についてもっと知りたくなりました。

 

そんなところUnlimitedで発見したのがこちらの本です。

日本歴代の霊能力者についてまとめられた本です。

著者によると、50名くらいは載せたかったのだが、30名余名程度に収めたとのこと。

それでも、初めてこうしてしっかりと目にする私にとっては十分にボリュームのあるものに感じました。

 

第一章では、古代~上代について。

古代のすべての女性は「霊能」を秘めた巫女だったということで、女性の力が強かったようであると書いている。

 

私も最近なんとなくですが、色んな意味で女性の方が強いというか、何か秘めたるパワーを持っていてそれが封印されているんじゃないか?と考えることがよくあります。

 

古代ではそこら中にいたので、“変わり者”とか“異常者”のレッテルを貼られることもなかったという。

何でもかんでも病名や症状名が付けられてしまう現代(しかも外国由来)を考えると、とても生きやすい時代だったのではないかと想像してしまいます。

私は幼少の頃から社会には違和感しかなかったので…。

 

できることなら、この時代のように自然と共に生活し、調和し、日本古来の信仰を行いたいのですが、それをするのがなかなか難しいのです。

 

紹介される人物は卑弥呼から始まり、日月神示を書いた岡本天明で終わる。

 

 

 

 

読んでて思ったのが、やはり人の能力を超えたものをもつ者は、妬みの対象になったり、既存の権力の脅威となったりして、犯罪者として扱われたり潰されたりするのだなということ。

これは今も昔も変わっていないのかなと思う。

つくづく思うのが、そういった能力を持っていたとしても、隠しておいた方が得策なのだなということ。

実際にそういった能力の持ち主がいたとしても、目立つことはせずにひっそりと暮らしているのではないでしょうか。

 

本の中でくすっと笑ってしまったのは、修験道の開祖と言われている役小角(えんのおづぬ)という人物が霊能を発揮するようになったあと、弟子入りを拒否された高官の恨みを買い流罪になったが、夜になると「飛行の呪術」を使って富士山や鎌倉、箱根、熱海などを見て回って帰っていたという話です。

 

岡本天明以降、現代でも「霊能者」と正しく呼べる人物は少数ではあるが、いるという。

著者は本物であればこそ、彼らを保護し、世間からの好奇の視線を注がれることから守るであろうと書いている。

時期がくれば天より仕組まれ自然と世に出るようになるのかもしれないとも書いています。

 

著者は書き切れないというようなことを書いていますが、私的には歴代の霊能者を一覧として読むには丁度いい量で十分な内容でした。

とても面白く良い本でした。

 

 

読書レビュー『「職場のやっかいな人間関係」に負けない法』

 

私は転職回数が多いのですが、そのほとんどの理由が人間関係です。

競争社会で私のような気の弱い人間が生きていくのはとても難しいのです。

少しでもそんな悩みを解決できないかと今回は『職場の人間関係に負けない法』という本を読んでみました。

 

 

ーはじめにー では、著者が30代前半で人間関係に深く悩み、人間不信になった時期があると書かれている。

私もまさに今同じ状況で、人間不信、疑心暗鬼に苛まれています。

著者がそんな悩みから抜け出したのは「iWAM(アイワム)」というベルギーで開発された人の「行動特性」を知る画期的なツールを知ってからだという。

 

iWAMとは職場で使っている「言葉」に着目し、その人がどのように考え、感じているかを分析し、体系化したものです。

 

著者は当時の人間不信になったあの時期があったから、今の自分があり、今ではそのときに関わったすべての人に感謝しかないと述べています。

そう思えるという事は、本当にその悩みから完全に抜け出したということなのだと思います。

 

私はもう真っ只中なので、全くそのようには思えません…。

恨みすら抱いています。笑

 

『退職理由の“ホンネ”と“タテマエ”』という項目があるのですが、日本では本音と建て前を使い分ける文化が根付いていて、これにも私はうんざりしている。

辞める時くらい本音を言って辞めてもいいのではないでしょうか。

その方が、自分の為にもなるし、会社のためにもなるし、社会のためにもなると思うのです。

 

この本でハッとさせられたというか、ギクッと思わされた部分があって、それは

「自分では気づいていないけれど、他人には見えている自分が存在する」

という部分です。

これってすごく恐ろしいなと思いましたが、これから年齢を重ねるにあたって、受け入れなければならない概念だと感じました。

 

また、年齢を重ねれば改善点を指摘してくれる人も少なくなってきます。

なので、自分で自覚なしに他人には見えている自分がいるということを意識することで、考え方や捉え方の幅が広がるのかもしれない。

 

その他にも、なるほどなぁと思う部分がたくさんあった。

ただ、人間関係というものは本当に難しく、それを円満にしようと思ったら相当の努力にが必要になると思います。

本自体はとても読みやすいのですが、実践する重みがある内容だと思いました。

 

読書レビュー『それはあなたのお金じゃありません』トーシャ・シルバー

 

 

お金に関しての本は歴史や成り立ちから、金融・株から、精神的なものから、今までに色々と読み漁りました。

私の実家は裕福ではなく、自分自身も若い頃からお金に苦労しているからです。

今現在もそれが続いている。

 

本を読んでもお金持ちにならないことは承知しているが、それでもお金に関する問題が解けるまでは私はお金関連の本を読むのでしょう。

 

内容はかなりスピリチュアルな色が強い。

執着を捨て、流れるがままにする。

それは神の意志よる流れだったりする。

だから委ねることが重要。

 

つまり入ってくるお金も出ていくお金も自分のものではなく神のものであるということ。

神というと色々と語弊があるが、呼び方は人それぞれ違っていいという。

 

読んでいて思ったのは、欧米人というのはキリスト教ユダヤ教の考え方に深く囚われている人が多く、その中でスピリチュアルを学ぶ人は、インドや東アジアなどの宗教や哲学を取り入れている人が多いのだなということ。

 

これは英語圏のスピリチュアル本を読んでいてよく思うことです。

 

ちなみにこの著者は前世で江戸時代の日本で芸者をやっていたと書いている。

華やかに見える世界で欠乏に怯えていたのを見たという。

 

二世代前くらいに起こった悲惨な歴史(ホロコースト)が著者のDNAに深く刻まれていて、それが恐怖や不安感として強く現れているのではないかという文章があったのですが、これには深く共感するところがありました。

 

自分も、漠然とした恐怖や不安の正体を考えたときに、祖父祖母世代が経験した戦時中の様々な事がDNAの記憶に深く刻まれていることがあるのではないかと考えることがよくあるからです。

 

とても読みやすい本でした。

読書レビュー『老人と海』ヘミングウェイ

 

度々目にすることがあったヘミングウェイの『老人と海』という小説。

なんとなく気になってずっと頭に残っていたので読んでみました。

 

 

訳者が違う本が多々出ていたのですが、Unlimitedで読める二冊を読んでみました。

どちらもそんな違いはなかったように思います。

 

私は本を読むときには知りたいことがあったり、何かを習得できればという気持ちで読むことが多いのですが、老人と海は本当にただの小説といった感じで、頭を使わずにゆったりと読むことができた。

大げさな起承転結があるわけでもなく、老人が海へ出て孤独にただ魚と格闘する。

舞台はキューバで読んでいるとその情景が浮かんできます。

 

魚の得体のしれない生命力や、老人の老いについて、解説されているわけではなくただ淡々と闘いは過ぎていく。

 

こういう読書もたまには大事だなと思いました。

読書レビュー『シャーデンフロイデ~他人を引きずり下ろす快感~』中野信子

 

私は組織が苦手なのですが、その理由に(自分を含めて)人間の醜さが透けて見えてしまうことにあります。

一人の時間が多く取れるときには自分が自分でいられるのに対し、ひとたび組織に属すると、“以前の自分の考えはどこにいった?”と思うことがよくあります。

そのことに不安を覚えてしまうんですよね。

 

普通は所属することによって安心感を得るというのが、私にとっては逆に不安の要素となってしまうのです。

 

そして、今まで生きてきた中で、多数のいじめや陰湿ないびりなどを目撃してきた。

私自身も少なからず加害者、被害者、傍観者としてそれぞれ経験してきた。

また、自己犠牲の精神や正義感などからなんとなく仲裁に入ってみるなどのことを試してみたこともあった。

 

純粋に、なんでそんなことが起こるのだろう?という疑問があったので、脳内では何が起こっているのだろうという興味から脳科学中野信子さんの『シャーデンフロイデ』という本を読んでみました。

 

シャーデンフロイデとは

自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い 感情

 

「愛」や「正義」という言葉は一見甘美であるが、それは同時に妬み感情に繋がってしまうものであるという。

これには“幸せホルモン”と呼ばれている『オキシトシン』が関わっている。

そのオキシトシンとはどんなものなのかが書かれている。

 

他人が引きずりおろされた時に起こる快感。

これは醜い感情のように思われるが、誰にでも備わっているものである。

 

一見その人の性質といえるような言動も、“脳内物質に影響されているだけ”だとしたら、世の中や人に対する見え方も変わるのではないだろうか。

 

様々な実験内容などをもとに語られていて面白かったです。

 

この本を読んで、組織に馴染めない自分は社会性が身についてないのだなということも再確認した。