大衆文化といって、70~80年代はみんな同じテレビを観て、次の日の学校や会社ではかならずと言っていいほど昨日のテレビの内容で盛り上がっていました。
なので、注目を浴びればどこまででもヒットするし、どんなにいいものでもメディアに見つけてもらえなければ埋もれたままという時代がしばらく続きました。
インターネットの登場と共に、その出来上がった構図が崩れ始めているといった内容の本です。
〝ヒット作は未だに注目の的ではあるけれど、もう昔のような富は生まない〟
昔はみんなが同じものをみて、同じものを持って、好きになってましたが、
現在ではガラッと時代も変わり、昔なら誰も見向きもしなかったようなニッチなものにまでスポットライトが当たるようになった。
テレビやラジオのように、送り手が一方的に大量の人相手にメッセージを送るということが大衆操作に繋がっていましたが、インターネットの登場により、一対一での通信が可能になり、それが個人が個々の細かな嗜好に合ったニッチな作品に触れる機会を作ったので、あらゆるメジャーなものからニッチな作品まで、誰の選別も受けずに無制限に手に入るようになりました。
よく映画でも音楽でも〝昔のものの方が良かった〟などという言葉が聞かれますが、それは単純に大体の人が同じものを見ていた時代から違うものを見るようになったというだけの話だと思われます。
昔も今も変わらず良いものは生み出され続けています。
ただ、昔は皆が同じものを見て、同じく感動していたので相乗効果も高まりやすかった。
アメリカの音楽に関しては、バックストリートボーイズ、ブリトニースピアーズ、インシンクを最後に音楽産業の成績が悪くなっていくと書かれてあります。
最近ではCDショップはもちろん、本屋さんもどんどん潰れて行っています。
CDをわざわざ買わなくてもダウンロードしたり、聴き放題プランに入れば手軽に聴ける。
本に関しては、Amazonでポチっとやればすぐに家に届いてしまうし、更には電子書籍というものが登場したので、本屋さんに行く人は本当に減ったと思います。
私も数年前は月に二回くらいは本屋さんで本を買っていましたが、現在では本屋さんに行くことはほぼゼロです。
大企業でなければ大ヒットは生み出せなかった時代から一転、今は個人が生み出したものが、大企業と肩を並べるチャンスのある時代です。
自費出版という形も、昔に比べて取りやすくなった。
もし自分が何か(くだらないものだったとしても)売りたいものがあれば、誰に認められなくとも、売りに出せてしまうのです。
音楽や映像、自分が作った作品から拾ったもの、ガラクタまで様々な物に値段がつくようになりました。
そして買う側もなんでも手に入る時代になっています。
参戦者が多くなったことにより、売りに出す側の競争が激しくなりあらゆるものの値段が安くなっています。
結局はヒットしそうなもの、しなさそうなものをつくったとしても、グローバルな目で見た時に、かならず一定のマニアがいるので、わざわざ狙う必要はないということです。
基本的にアメリカのデータをベースに書かれているので、アメリカでヒットしたものなどが参考に出てきますが、カタカナが沢山出てきて少し読むのが大変だった。
ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: クリス・アンダーソン,Chris Anderson,篠森ゆりこ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/05/23
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