無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

『あの日』小保方晴子   感想

 

あの日

あの日

 

 一時世間を騒がせていた、小保方晴子さん本人の本を読みました。

当時彼女がマスコミで騒がれていた時、私は全くそのことに関心がありませんでした。

 

何に対してあれだけ執拗に責められているのかも、どういう弁解をしているのかもまったくわかりませんでした。

 

 

私が関心を持ったのは、その事件から数年経ったある日の事。ちょうどこの本が発売される一年ほど前くらいのこと。

あれだけ「テレビをつければそればっか」の日々でしたから、関心が無くても記憶には残っているものです。

 

「あの人ってどうなったのかな?」

「あの事件って本当にあの人が悪かったの?」と何故か急に気になり始める事になります。

 

 

気にはなっても、結局は当事者の間でしか真実はわかりません。

ましてや科学の知識などこれっぽっちもありません。

 

 

しかし、ちょうどそのタイミングで『あの日』が発売されたので、買って読んでみました。

買ってすぐに読んだのではなく、しばらくは『つんどく状態』になってましたが。

 

 

 

前半は、研究者になるきっかけや人々との出会い、ハーバード大学で研究したことなど、通常ではあまりないような可憐に科学者としての道を進む様子が書かれていていますが、後半から転落へのドロドロとした人間関係の渦がいやというほどに書かれています。

 

 

特にいやだな、最悪だなと思ったのがマスコミです。

 

武器を使わない人殺しだなと思いました。

 

 

 

真実は誰にも、私にもわかりません。

しかし、それを問い詰める事に関して、やっていいことと悪いことがあります。

 

 

 

マスコミとしての信念が恐い方へ向かっているというか、「悪を制裁する」的な歪んだ正義感と金儲けの為にボロを見つけて死ぬまでつつくという執拗さが気持ち悪く感じました。

 

 

 

細胞や研究など、詳細に書かれていましたが、なんとなくで実際に詳しい人じゃないと理解はできないと思いますが、今の時代にこれほどネチネチとしたものがあるんだと

内部事情を少し理解しました。

 

 

そしてその時の会見などはどんな感じだったのかと動画など見てみたんですけど、

思った事は

 

すごく可愛い人だなぁ

 

ということ(笑)

 

もし、陰謀や汚い感情で才能があり、努力家で、人にも好かれ、なおかつ美人といった奇跡的な人が潰されてしまったのなら本当に残念な事です。

 

 

 

絵本『あとがき』加藤久仁生  レビュー

 

あとがき

あとがき

 

 

つみきのいえ』の作者さんが書いた絵本、『あとがき』です。

つみきのいえも、大人向けの絵本ですが、こちらも大人が読んで浸れる絵本です。

 

つみきのいえ

つみきのいえ

 

 

つみきのいえ』は、絵本として完ぺきに仕上がっていますが、こちらは抽象的な絵と文章が特徴でいい味を出しています。

 

ノスタルジックで絵を見ていると、子供の頃の感覚がよみがえりとても懐かしい気持ちになります。

 

目次が

・帰り道

・グラタン

・てぶくろ

・餅

・コーヒー・タイム

・白黒

・遅い朝

・隣人

・自警団

・夜桜

・窓ぎわ

・雨の日

・遠足

・晩夏

・朝礼

・逃避行

・見えないうさぎ

・台風

・湯豆腐

・出発

・冬

・元犬

・あくび

・夕刻

・声

・囁き

 

と、それぞれが違う味を出していますが、「わかるなぁ」っていうものから

いくら考えてもわからないものまで、さまざまです。

 

 
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大人が読む絵本『つみきのいえ』レビュー

『遊べる本屋』ことヴィレッジヴァンガードという雑貨屋さんで見つけた本、『つみきのいえ』のレビューです。

 

購入したのはもう何年も前ですが、見つけた瞬間に欲しい!と思いました。

絵や色遣いがとても可愛いです。

 

絵本は子供が読むものだとずっと思っていましたが、大人向けの絵本もちらほらと出ているようです。

 

 

つみきのいえ

つみきのいえ

 

 

表紙は海の上に浮かぶ家で可愛らしいおじいさんが物思いにふけりながら煙草をふかしています。

 

小さい家に見えますがよーく見ると海の下に家が続いています。

屋上に干してある洗濯物やそこに続く階段、海に浮かぶポストやパラソル付きのボートがなんとも言えない味を出していてとてもいいです。

 

 

家の構造上、家の中で釣りができるという、うらやましい環境です。

いつでも釣りが出来て、釣ったらすぐに調理が出来るという画期的な家。

 

夜には波の音を聞きながら眠ります。

 

内容は切なく美しい物語です。

かつてはおばあさんと一緒に暮らしていましたが、年老いて一人になったおじいさん。

 

しかし、海に潜れば潜るほどおばあさんとの思い出が残っています。

 

 

なんだかんだでおばあさんの思い出とともに楽しく暮らしているおじいさんの物語です。

 

 

 

 

 

 

 

『幸福の迷宮』 レビュー

十年前に買った小説、『幸福の迷宮』です。

基本的に読まなくなった本は売っているので、十年間も手元に残っているという事は良書ということになります。

 

『あなたの心は迷宮に迷い込んでいませんか?』

とのことで一年に一回くらい、「なんだかちょっと疲れたな」と言う時に読みたくなる本です。

 

 

三十三歳のアリアドナは冴えない人生を送ってきて、更には仕事までリストラされてしまいます。

 

そこで森にさまよいこんで、不思議な旅をするんですけど、それが自分探しの旅となります。

 

「幸せとはなんなのか」を私はこの本に教えてもらいました。

 

買った当初はまだ十代だったので、初めて読んだ時はいまいちピンときませんでした。

(正直当時はつまらない本だなと思いました(;^ω^))

まだ若かったので話の内容が理解できなかったのでしょう。

二十代になってから読むとじんわりきます。

 

温かみと深みのある本です。

 

そして落ち込んでいる時には勇気をもらえる本です。

 

 

小説が終わり最後に名言が色々と載っているので、中からひとつ。

 

大きな苦しみに襲われるとすぐ、そこに二つの道があると気が付いた。

ただ苦しむか、苦しみを創造的な力に変えるか、だ。

私は後者を選んだ。

  __マーティン・ルーサー・キング

 

 

 

幸福の迷宮

幸福の迷宮

 

 

 

絵本『どこでもない場所』レビュー

 

どこでもない場所 (海外秀作絵本)

どこでもない場所 (海外秀作絵本)

 

 

こちらは絵本『終わらない夜』と一緒に購入したものになります。

 

終わらない夜

終わらない夜

 

6969.hateblo.jp

 

『終わらない夜』は基本的に夜の絵が中心なのですが、『どこでもない場所』は昼間の明るい風景が中心の絵本です。

 

山と海の境い目がない

空と木の境い目がない

海と部屋の境い目がない

など、この絵本もとても想像力が育まれる絵本です。

 

 

子供が見てもいいけど、どちらかと言うと大人向けな絵本だと思います。

 たぶん子供が見たら怖がるんじゃないかな。

 
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 一冊で一つの物語なのではなくて、ロブ・ゴンサルヴェスの絵に刺激されたセーラ・L・トムソンが文を書いた絵本になります。

 

 

 

他にもシリーズが出ているので気になるところですね。

 

夢にめざめる世界 (海外秀作絵本)

夢にめざめる世界 (海外秀作絵本)

 
真昼の夢 (ほるぷ海外秀作絵本)

真昼の夢 (ほるぷ海外秀作絵本)

 

 

 

 

 

 

 

絵本『終らない夜』レビュー


絵本は絵本でもこちらは大人が読む絵本です。

不眠に悩まされている時に『終らない夜』というタイトルに惹かれ買いました(笑)

これは買って正解。

一見不気味な感じに見えなくもないですが、とても想像力が掻き立てられる絵本です。

 

 

私のお気に入りはこちら。
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雪が気持ちよさそうなベッドになっています。

この寒い冬に寝る前にこの絵本を読むと少しほっこりします。

 


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 こんな感じで[ロブ・ゴンサルヴェス]の絵に[セーラ・L・トムソン]の書いた詩が添えられています。

 

 値段は1600+税でした。

色々とシリーズが出ているので全部揃えてもいいくらいです。

 

終わらない夜

終わらない夜

 

 

 

絵本『ミリーのすてきなぼうし』レビュー

 絵本のレビューです!

絵本は子供の心を育てるのにとても重要なものと私は考えてます。

 

私は子供はいないんですが、じゃあどうして買ったんだと言われると『帽子が好きだから』タイトルと表紙を見た時にちょっと気になり買ってみました。

 

 

 

ミリーのすてきなぼうし

ミリーのすてきなぼうし

 

 

 

主人公のミリーは小さな女の子です。

一人で帽子屋さんに入ると一見怖そうな面持ちのスーツを着たおじさんがいます。

ミリーは欲しい帽子をそのおじさんの元へ持って行きますが、高額過ぎて買えません。

というか財布の中身はからっぽです。

 

するとその店長さんは、帽子をもっているフリをしてミリーの頭に帽子をかぶせます。

ミリーは満足して店を出ました。

 

 

気難しそうな顔をしている店長さんなので、最初はどうなるかと思いますが、子供にとって本当に大事なのは物を与える事ではなく、想像力を育む事と考えると、この店長さんは無償でとてもいいものをこの女の子に与えました。

 

 

 

 

良い店長さんでした。

 
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その後、ミリーはその想像力の帽子で色々な想像をして自分好みの帽子をかぶって街を歩きます。

 

自分だけではなく、街を行く人々の頭の上にも様々な帽子をかぶっていることを想像しました。

人それぞれ全然違う帽子をかぶっています。

 

 

 

これは帽子の絵本ですが、私はこの絵本は人の脳内を表していて、人それぞれ考えていることは違くて、寂しい脳内の人がいれば自分の楽しい脳内を分けてあげることができるんだよというメッセージととらえました。

 
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子供にとっても大人にとっても想像力を働かせることはとても大事です。

この絵本は想像力の大事さを教えてくれる本でした。

 

 

 
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