無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

読書『今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る』感想

今まで何かと避けてきた政治について。

世の中に対する疑問を解消するためと、そろそろしっかりとした知識を持っておかないと今後に影響してくると思ったので、読みやすそうな本を読んでみました。

 

 

今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る

今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る

 

 

 

内容は中学受験レベルもので、政治についての基本中の基本の事が書かれています。

学生時代にまともに勉強もせず、その後も無関心でい続けたため、私にとっては読み応えのある本でした。

 

政治はそもそも言葉の一つ一つの意味が難しいと思うのですが、そこをわからないままにしておくと、そこからどんどん置いていかれて、余計にわからなくなっていくというループに陥ると思います。

 

この本では、その難しい言葉の一つ一つの意味や内容を掘り下げて丁寧に書かれているのでとても有難い内容でした。

小学、中学ですでにこの内容を理解しなければならないのは、好きではない人にとっては相当ハードルが高いのでは?と思ったのですが、そのハードルに階段をつけてくれたような本です。

 

タイトルは『2時間で頭に入る』とありますが、私はじっくり読んだので数日かかりました(;'∀')

でも学生時代にしっかり勉強してそこそこの知識を持っているのなら、本当に2時間で読めてしまうと思います。

 

現在勉強している学生、子をもつ親、そして私のように無知のまま過ごしてきてしまった大人、誰が読んでも理解しやすいんじゃないかなと思います。

字だけではなく絵なども交えて説明してくれているので、途中で疲れたりもしなかった。

 

 

政治=ルールの運用

となりますが、そのルールとは法律のことで、集団生活を送っていくには欠かせないものです。そしてその法律にかかわる3つの機能が

立法=国会(ルールを作る)

行政=内閣(ルールを世の中に当てはめる)

司法=裁判所(問題を解決する)

となる。

この3つについて学ぶことがすなわち日本の政治を学ぶことになる。

 

まずこのことすら知らなかった(;'∀')笑

それぞれの言葉をなんとなく知ってはいたものの、その中身があやふやで全然わかっていなかった。法律は現在2000近くあり、毎年増えているそうです。

 

 

学校には校則があり、会社には社則があるように、国に対しても法律がある。

政治家や官僚が「世の中を変えたい」「新しいことを始めたい」と思ったら、まず法律を確認することから始めるのだそうです。

 

序盤に書いてあることですが、この時点ですでにスッキリとしてきます。

 

 

 

もちろん憲法のことについても書かれています。

法律よりも強いものが憲法

憲法の下に法律があると考えるとわかりやすいかなと思います。

憲法に反するものは法律として制定することができない。

 

なぜ憲法最高法規なのかというと、憲法には「国民の人権を守る」使命があるため。

どういうことかというと、国家権力は国民の人権を侵害しやすいので強いルールを作って権力を制限しようというものだそうです。

 

これを読んだときに、意外にちゃんと国民のことを考えて作られていたんだなと、政治に対して新しい見識を持つことができるようになったと同時に、本当にそうなのか?憲法や法律や政治のシステムなど支配者に都合のいいように作られてはいないのか?とも思ってしまった。私の猜疑心が強いだけなのだろうか。

 

 

私が意外に思ったのが、この憲法は国民だけが変えられるということです。

国民とは私も入っていることになりますが、私たちが憲法を変えることができるということは、微塵も思ったことがありませんでした。

 

憲法は1章から11章までありますが、私が引っ掛かったところは第二章でさっそく出てくる戦争の放棄です。

確かに戦争をしないことと平和主義には私も賛成です。

しかし、釘をさすかのように第一章の天皇の次に置いているのには少し違和感を感じてしまいます。

 

GHQが関わっているので怪しまずにはいられないのですが、作られた過程や関わった人物などが詳しくわからない限りはなんともいえないものです。

あんなに世界的に非道なことが起こっていた真っ盛りの時代に作られたものなんて信用していいものなのか。

すぐにわかろうと思ってわかるものでもないと思うので、これからも政治系の本は読んでいこうと思います。

ついつい陰謀論なんかも信じてしまうところですが、気を付けたいものです。

 

 

国民の義務として

・保護する子女に普通教育を受けさせる義務

・勤労の義務

納税の義務

があります。

 

教育とか勤労とか納税とか、一歩間違えればその人を追い詰めることになるものなので、もし国民のためのものだというのなら偽善が入っているんじゃないかなと私は思います。正直この義務は昔からあまり好きじゃないです。

 

しかし「憲法尊重擁護の義務」について定めた第99条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官、その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と記されていて、ここに国民は入っていない。

 

そのことから主に日本国憲法を守るべきなのは「国家権力を持つもの」だというのです。これは自分が過去に学んだこととは違ったので驚きました。

 

 

憲法は強い力を持っているので、簡単には変えることができないように作られている。

イギリスなどは国民投票EU離脱を決めましたが、日本の場合はまず国会で賛成を得てから発議、それから国民投票となります。

そして通れば天皇が国民の名において公布ということになります。

現時点ではまだ発議されたことは一度もないそうです。

 

 

直接国民に投票させるのではなく、一旦国会を通さなければいけないのは「間接民主主義」で、直接国民に投票してもらう方式は「直接民主主義」というのだそう。

どちらもメリット、デメリットがあるとは思いますが、直接民主主義の方が自由度が高そうな感じがするが、どうなのだろう・・・?

信用のできる政治家を選ぶのもまたすごく難しいことのように思います。

当選するためにいくらでも嘘をつくことってできますよね。

受かってしまえば国民の意思とは関係なしに法律を作ったり変えたりすることができるということを考えると・・・この国って一体・・・。

 

しかしこの本を読んで日本は間接民主主義なのだということを知って、あらためて政治を知ることの大事さがわかりました。

法律を勝手に決められたり変えられたりしてしまう可能性があること、権力が暴走するかもしれないということを考えると、国民はちゃんと政治について知っておく必要があるのだなと思いました。遠くに感じていた政治がぐっと近くなった感じがします。

 

ちなみに国民主権についてですが、今まで私は自分に主権があると思ったことは一度もありませんでした(笑)間接民主制というものにどうしてもコントロールされている感が拭えないけれど、ますは日本の政治がどうなっているのかを知ることができて本当によかったです。だらだらと書いていたら長文になってしまいましたが、内容は様々で濃いです。