Kindleで発見し、面白そうだったので読んでみました。
これが本当に面白くて、本を読みながら笑ったのは久しぶりかもしれない。
漫画が挿入されていて、その後に解説が入っているのですが、簡潔に書かれているので読みやすかったです。
しかも、20種類の動物が出てくるのですが、そのどれもが可笑しくてそして愛らしさが読んでいて伝わってきます。
昔アンタッチャブルの柴田英嗣が動物好きなことを活かしたコントをしていて、その時はそのお笑いに対して私は笑っていたのですが、今なら動物の生態のおかしさに共感して笑えるだろうと思いました。
動物に関して私は今まであまり関心を持っている方ではなかったのですが、この本を読んでその生態を知り、世の中というものはもっとヘンテコリンで可能性に満ちているのだと感じました。
私は「人間」というフィルターを通して、狭い世界しか見えていなかったのだなと・・。
結構それぞれの動物に共感するところがあって、その動物に対しての見え方も変わったりする。
例えばキリンは〝臆病で神経質だが、好奇心旺盛という掴みにくい性格である〟らしい。更に自分よりも目線の高い相手に対抗心を燃やすため、上から見下ろしてはいけない。温厚そうな見た目に反して人間には手の負えない動物の一つだという。
ハダカデバネズミの話では『働き者』と『怠け者』に関しての研究について触れられています。働かないデバネズミは働くデバネズミが疲弊した時のスペアではなく、他の役割を持っているのではないかという仮説。
デバネズミは基本的に女王以外の生殖が抑制されているのですが、怠け者のデバネズミの方は雨が降って土が柔らかくなった時に急激に代謝量が上がるらしく、新たな群れを作ることが可能だとのこと。
「働かないグループはそのために存在しているのではないかと考えられている」ということで、読んでいて面白かったですね。
そして可愛いなと思ったのがラッコ。
ラッコの自慢の道具である石。
その石を自慢するために高く掲げてアピールするのだそうです。
そしてストレスには弱い。
さらに、捕獲しやすいウニやアワビをなどを好むということで、高級食材が主食だということに驚きです。
可愛らしい特徴がいくつもあり、読んでいて微笑ましくなった。
読んでいて共通すると思ったのが、ストレスに弱い動物は狭い水槽の中などではイジメや自傷行為などの異常な行動に出るということです。
人間も同じく学校など狭い教室の中ではしばしばいじめが起こったりしますが、やはり環境を変えられる、選択できることの重要性は強いのだなと感じました。
読んでいて私が気に入った動物は「ラーテル」です。
「世界一怖いもの知らずな動物」としてギネスブックに登録されているとのこと。
小型哺乳類であるにも関わらず、ライオンや人間にも恐れずに立ち向かう。
実際にライオンと戦っている動画を見てみましたが、確かに強かったです。
強さというものは大きさだけではないのだなということがわかる。
小さな体に対して強気な性格がぐっと胸に刺さりました。