タイトルに惹かれて読んでみました。
生きていると何かと問題が出てくる。一つ解決したらまた一つと・・・。
ただひたすらに我慢するしかないのか?と思うような事でも、私たちが生まれる何千年も前から同じ事で悩んでいた人はいて、その人たちが解を出してくれています。
何か困った事があれば、とりあえず図書館に行けばなんらかの情報が得られる、と私が気が付いたのは割と最近のことで、少し前までは自分の悩みに解決の糸口が見つかる兆しがみつかるなどとは思っていなかったのです。
メソポタミアや、古代エジプトの時代から人間の悩みというものはさほど変わってなく、そのことについて哲学者たちが考え抜いてきたということを知っていれば、もっと若い頃から哲学書などを読みふけっていたかもしれません。
心理学者のアドラーは、人の悩みは全て人間関係であると言っていますが、この本を一読してみてほとんどがそうだろうと確信しました。
死についての悩みや病気のこともあるとは思いますが、それを抜きにして考えればアドラーの言っていることは新しい気づきとなります。
「あの人にこう言われた」「あの人にこう思われている」「批判された」「上司がウザい」「周囲がうるさくて集中できない」「親がうるさい」など、悩みというものは他人との関りの中で出てくるものがほとんどです。
この本では時間がない、行動に移す勇気がない、会社を辞めたい、緊張してしまう、自分の顔が醜い、過去がフラッシュバックする、他人と比べてしまう、認められたい、ダイエットが続かない、不安、人の目が気になる、見下されている、上司が嫌い、家族が憎い、不倫、妻との喧嘩、喪失、孤独を感じる、死ぬのが怖い、人生が辛い、病気について、世の人の大体の悩みがこれだろうなという内容が書かれてあります。
そして、それぞれの悩みについて、すでに過去の哲学者が悩んで答えを導き出している。出てくる哲学者はアリストテレス、アンリ・ベルクソン、マックス・ウェーバー、ルネ・デカルト、ジル・ドゥルーズ、ゴーダマ・シッダールタ、ジャン=ポール・サルトル、フリードリヒ・ニーチェ、ミハイ・チクセントミハイ、ジャック・ラカン、ジョン・スチュアート・ミル、トマス・ホッブス、ミシェル・フーコー、アルフレッド・アドラー、バールーフ・デ・スピノザ、ハンナ・アーレント、ゲオルク・W・F・ヘーゲル、イマヌエル・カント、ジークムント・フロイト、道元、ダニエル・カーネマン、アルトゥル・ショーペンハウアー、ソクラテス、マルティン・ハイデガー、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインと、名前の聞いたことのあった人物から、初めて目にする名前もあったので、見識が広まりました。
哲学と聞くと、難しく聞こえるのですが、あくまでも哲学に触れたことのない人にもわかりやすいように書かれているので、とても読みやすいです。
実際に私は本を読むようになってから、今まで悩んでいたことが霧が晴れていくかのように無くなっていったので、この先人の知恵を借りるということは、現代を生き抜く上でとても大事なことだと思っています。
これからも沢山の本を読もうと思える本でした。