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読んだ本の感想と日々の変化

小説 『走るジイサン』 池永陽 感想

知人から小説を五冊ほどもらいました。このブログを見てわかる通り、あまり小説は読まない派なんですよね。科学的な本とかスピリチュアルや自己啓発系が多かったんですけど、なんかもらったんですよ小説を(笑)

 

しかも、沢山ある本の中から選んだ五冊。

その沢山ある本の中で一番最初に目についたのが『走るジイサン』。

「何この本(笑)」って感じで私はお年寄りはあまり好きではないので全然読みたいとは思わなかったんですけど、目に入り、何これと発してしまったことにより、

知人に「面白いよ」と勧められ仕方なく頂いた本です。

すごく斬新なタイトルですよね。

 

たぶん五冊のうち一番最後に読むだろうなと思っていたんですけど、出かける際に軽い感じで持って出たのがこの一冊。

という事で一番最初に読み終わりました。

 

まず、自分で選んだものではないし、タイトルがタイトルなだけに期待はしていませんでした。しかし、不本意にきたものでも私の元へやってきたという事は何か意味があるかもしれないという気持ちで読んでみました。

 

読み終わった後に出版された年を見たんですけど、1999年でした。うん、自らは絶対手に取らない本ですね(新しい本が好き)

作者は池永陽さんで、すばる新人賞受賞者で、デビュー作だそうで。

 

 

感想なんですが、

この本がなんで今の私の元へやって来たのかがわかりました。

今の私への啓示的なものもあったんじゃないかなって。

最後の方では結構大泣きです。小説のストーリーに泣いたっていうよりも、小説の中に懐かしさとか、自分の祖父母への想いだとか無念さだとか、色々な事を重ね合わせての涙でした。

素直になれない時期に亡くなってしまったので。

死んだ後では後悔しても遅いのです。

 

 

先ほども書きましたが、私は老人はハッキリ言うと嫌いなんですよ。

社会に出てから出会った老人は、「昔は良かった」「今時の若者は」・・・など愚痴が多いし、

傲慢で学ぼうとしないし、年を武器に楽しようとするところが嫌でたまりませんでした。

だから、出来るだけ関わらないようにしていたんですよね。特に最近は。

 

 

この本を読んで「これだから昔の人はいやだ・・・」

っていう感情も最初の方はあったんですよね。

でも、年を取った人々の身体が思うように動かないなどのなかなか思い通りにいかない日常があって、邪険に扱われていることを自覚していたり、心の中の葛藤がリアルに書かれており、

自分が知る事のできない惨めな感情があることを知ったんですよね。

 

老人を無下にしたい自分に何かのお知らせ的に私の元へきた小説だと思いました。

これを読んだからと言って、性の合わない老人に優しくできるかと聞かれたらそれはわかりません。

でも、少なくとも今までよりは、理解を持って接する事が出来ると思います。

 

 

 

老人が沢山出てくる話ですが、老人嫌いな私でも面白く軽く読めました。(本当失礼ですよね)

最後は感情移入して、涙してしまいましたが。

小説って読む前は、結構斜め目線で読み始めるんですが、最後に泣くっていう私のいつものパターンです(笑)

 

 

今、こうして私が平和で便利な世の中に生きていられるのは、今のお年寄りが必死に働いて生きやすい今をつくってくれたからです。

 

 

たまたまなんですけど、この小説を読む前日に

中島みゆきさんのヘッドテールライトの歌の意味を知り、余計に今まで日本を支えてきてくれていた先人の方たちへ感謝の気持ちがわいてきました。

ちなみにこの歌は2000年リリースと、走るジイサンから一年後になります。

 

世間は英雄のような目立つ存在の人だけを称賛している

そしてそんな艶な下の力持ちのような人のことは誰も口にしない

そんな歌詞です。

 

色々思うところがあるのですが、私にとってはこの本は凄く意味のある本でした。

 

 

 

走るジイサン (集英社文庫)

走るジイサン (集英社文庫)

 

↑ アマゾンではキンドルしかありませんでした。