無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

〝日本の風俗嬢〟 中村淳彦  感想

 

日本の風俗嬢 (新潮新書 581)

日本の風俗嬢 (新潮新書 581)

 

 

帯の35万人という数字に驚きなんとなく買っておいたもの。

 

 

 

 風俗嬢について統計的に分析して実際の現場や女性のインタビューなども参考に書かれている本。

内容が内容なだけに少し重い感じがしますが、日本の貧困問題と切っても切れない内容だと思いました。

 

風俗と言う職業に対して否定的な人も、その職業に就いている人にもとても理解が深まる本だと思います。

 

 

働きたい女の子がいたとしても採用率は30%と、働きたくても働けない、一昔前のセーフティーネットという機能が無くなっているということが衝撃だった。

 

 

昔ならば、風俗嬢=最底辺

だったのが、今ではかなりスペックの高い人でもその業界で成功することは難しいこと、それから大学生の貧困が問題で抵抗なく足を踏み入れてしまう高学歴な人が沢山いる事に衝撃。

理由の一つに親の経済が悪化した事と、低賃金でアルバイトをしていては勉強する時間がないということが挙げられていました。

 

政府は相変わらず必要悪として見て見ぬふりをしている。

 

 

 

これは著者が男性なので男性的な目線で書かれているなと思ったんですけど、

私はこの性産業の業界にそんなにも人があふれかえっているのはもっと問題視するべきところだと思いました。

 

 

さらに、今後世界経済は極端な貧困層と、富裕層とに二極化されていくんじゃないかという話はそこらへんで聞きますが、

日本の風俗業界も、二極化が進むのだそう。

ごく一部の能力の高い人しか稼げなくなってくる。

 

この闇について一冊くらいは読んでおきたいジャンルです。

 

若者の結婚離れも少なからずこれとつながっていると思います。

 

 

〝置かれた場所で咲きなさい〟 渡辺和子

 

神が植えたところで咲きなさい

 

「置かれたところこそが、今のあなたの居場所」

 

 

疲れ切っている時に読みたい本ですね。

 

 

「不平を言う前に自分から動く」

が今の私には響きました。

幸せを他人任せにしてはいけない。自分が積極的に動いて初めて幸せを手に入れる事が出来るんだという真実。

 

これはその通りで、周りがどうにかしているのを待っていてはいつまでたっても不満は無くならないし、幸せにはなれない。

 

 

 

置かれた場所で咲きなさい

置かれた場所で咲きなさい

 

 

大きな文字で読みやすい 置かれた場所で咲きなさい

大きな文字で読みやすい 置かれた場所で咲きなさい

 

〝日本人が一生使える勉強法〟  竹田恒泰

タイトル通り、日本人向けに書かれた勉強法のススメです。

西洋の価値観で書かれた自己啓発本が腑に落ちない方に向けられています。

 

今までの地位や収入を一切捨て、二十七歳で作家を目指し、万年筆一本のみでニートもしくはヒッキーになった意外な過去をこの本では公開しています。

 

その当時は月に2000円で食費をやりくりしていたらしいのですが、2000円でどう凌いだのかまで詳しく書かれていて、これからライターになりたい人などには参考になるんじゃないかなと思いました。

 

 

 

驚きなのが、講演会では原稿を見ずに超スピードで喋り倒す、更にそれが二百種類もできるとなると、頭の回転が速いという事は言うまでもありません・・・。

 

 

気になる目次を抜粋

贅沢な生活から一転、鎌倉の山奥へ

欧米人にとって労働は「神から与えられた罰」

仕事をバカにする『金持ち父さん 貧乏父さん』

働くことを生きがいと感じる日本人

西洋と日本で全く違う「夢」の意味

夢を捨ててたどり着けた想定外の場所

マイナス思考を経ないプラス思考はただの博打

徹底的に落ち込めば、あとは浄化される

「何をやるか」ではなく「何をやらないか

「空きスペース」がなければ変化に対応できない

本から偉大な先人の知恵を学ぶ

もっとも重要なのは「人を介した情報」

「足で稼ぐ」という勉強も忘れないこと

自分の意見と違う人の著作を読む効果

笑いにはいくつかのパターンがある

 

 

 

 

私の気になる目次だけをあげてもこれだけ内容豊富なので、本当に知識のありあまる人なんだなとあらためて思いました。

 

生きる意味や、死については人それぞれ違う価値観を持って生きていると思うんですけど、この本で生と死についても多く取り扱われています。

 

そしてお金と幸せとの関係性。

こうして成功をおさめているように見える人ほど、「お金があれば幸せとは限らない」と言います。

ビル・ゲイツは、世界一のお金持ちになったにも関わらず、何故幸せではないのかと思い悩んだ末にやはり巨額の寄付を始め、そこでようやく幸せとは何かがわかったのだそうです。

 

 

 

ディベートやディスカッションの魅力も語っており、講演を始めるきっかけになった出来事や、笑いを交えて話す方法など、勉強法について色んな方面からの方法や考え方が書かれてあって参考になりました。

質の高い本だと思います。

 

 

 

 

 

日本人が一生使える勉強法 (PHP新書)

日本人が一生使える勉強法 (PHP新書)

 

小説『黄金の庭』  高橋陽子  レビュー感想

本屋さんに行った時に、タイトルと表紙に惹かれ買った本です。

162ページだけど、ストーリーがしっかりとしています。

 

この小説もなかなかの独特具合です。

なんていったって、ありきたりで平凡な日常の中に、閻魔様や喋るオパールの指輪、動くしゃちほこなどが普通に溶け込んでいるのです。

 

 

起こる出来事は現代の現実世界でそこらへんで起こっているような事なんですけど、

非現実が自然とストーリーの中に入り込んでいるという小説は、初めて読んだと思います。かといってメルヘンチックな感じでは全然ない。

 

 

どこかで大いに盛り上がるといったこともなく、フラットな状態で読み続けることが出来ました。

 

 

 

黄金の庭

黄金の庭

 

 

 

小説『スーツケースの半分は』  近藤史恵

 

 

スーツケースの半分は

スーツケースの半分は

 

 本屋さんに寄ったときに表紙とタイトルに惹かれ買った本。

中身をちらっと見た時に、海外に憧れはあるものの、一度も行った事が無い、行く度胸がない私とかぶる部分がありまして、即購入いたしました。

 

章ごとに主人公が変わるのですが、第一話は、私と同じく海外に行ってみたいけどパスポートさえ持っていない真美。英語は出来ないし、海外の事もわからない。

満員電車で大きなスーツケースを持った女性が席でいねむりしているのを見て迷惑と嫉妬を感じるあたりリアルだなと感じました。

 

結婚して旦那がいるのですが、海外に行きたいと言っても、老後でいいだろと言われる始末。

 

 

そんな真美がある日フリーマーケットで、鮮やかなブルーのスーツケースを発見し、そこからストーリーは展開していきます。

 

 

スーツケースは真美から友人へ次々と渡っていき、最終的には戻るべきところに戻るのですが、内容はくどくなく、現実でもあるあるなリアル感があってとても読みやすかった。

 

 

何回でも読みたい本です。

 

 

 

 

 

 

児童文学『雨ふる本屋』  日向理恵子

 

雨ふる本屋 (単行本図書)

雨ふる本屋 (単行本図書)

 

 

本屋さんでなんとなく表紙とタイトルに惹かれての購入。

今回読むのは二回目ですが、前回も今回も読んでいる時は雨が降っていました。

 

本がズラッと並んでいる光景は見ていてなんだか落ち着きます。

主人公は小学生の女の子。

 

生まれたばかりの妹に嫉妬や不満を抱いている女の子ですが、

物語最後にはちょっぴり大人になっています。

 

 

気付くと背の高い本棚の迷路をさまよっていますが、行きついた場所は雨降る本屋。

そこで不思議な冒険をします。

 

 

雨が降った時にはまた読みたい。

 

 

からくり夢時計―DREAM∞CLOCKS

からくり夢時計―DREAM∞CLOCKS

 

 

鉄道少女漫画  中村明日美子

 

鉄道少女漫画

鉄道少女漫画

 

 鉄道マニアではないのですが、タイトルと表紙の絵のタッチに惹かれ買った漫画です。表紙にいる人々、それぞれ物語の主人公として出てきます。

 

 

内容は勿論鉄道にまつわるものなんですけど、

一話一話が別で味が違うストーリーなので面白いです。

 

 

 

ケーキ屋さんの奥に大人が鉄道の模型で遊んでいる空間があったり、レズが鉄道で繰り広げるシュールな物語だったり、実はあっちの世界と繋がっていたりなど、

それぞれストーリーの味が違っていいです。