無知から始める読書習慣

読んだ本の感想と日々の変化記録

〝日本人が一生使える勉強法〟  竹田恒泰

タイトル通り、日本人向けに書かれた勉強法のススメです。

西洋の価値観で書かれた自己啓発本が腑に落ちない方に向けられています。

 

今までの地位や収入を一切捨て、二十七歳で作家を目指し、万年筆一本のみでニートもしくはヒッキーになった意外な過去をこの本では公開しています。

 

その当時は月に2000円で食費をやりくりしていたらしいのですが、2000円でどう凌いだのかまで詳しく書かれていて、これからライターになりたい人などには参考になるんじゃないかなと思いました。

 

 

 

驚きなのが、講演会では原稿を見ずに超スピードで喋り倒す、更にそれが二百種類もできるとなると、頭の回転が速いという事は言うまでもありません・・・。

 

 

気になる目次を抜粋

贅沢な生活から一転、鎌倉の山奥へ

欧米人にとって労働は「神から与えられた罰」

仕事をバカにする『金持ち父さん 貧乏父さん』

働くことを生きがいと感じる日本人

西洋と日本で全く違う「夢」の意味

夢を捨ててたどり着けた想定外の場所

マイナス思考を経ないプラス思考はただの博打

徹底的に落ち込めば、あとは浄化される

「何をやるか」ではなく「何をやらないか

「空きスペース」がなければ変化に対応できない

本から偉大な先人の知恵を学ぶ

もっとも重要なのは「人を介した情報」

「足で稼ぐ」という勉強も忘れないこと

自分の意見と違う人の著作を読む効果

笑いにはいくつかのパターンがある

 

 

 

 

私の気になる目次だけをあげてもこれだけ内容豊富なので、本当に知識のありあまる人なんだなとあらためて思いました。

 

生きる意味や、死については人それぞれ違う価値観を持って生きていると思うんですけど、この本で生と死についても多く取り扱われています。

 

そしてお金と幸せとの関係性。

こうして成功をおさめているように見える人ほど、「お金があれば幸せとは限らない」と言います。

ビル・ゲイツは、世界一のお金持ちになったにも関わらず、何故幸せではないのかと思い悩んだ末にやはり巨額の寄付を始め、そこでようやく幸せとは何かがわかったのだそうです。

 

 

 

ディベートやディスカッションの魅力も語っており、講演を始めるきっかけになった出来事や、笑いを交えて話す方法など、勉強法について色んな方面からの方法や考え方が書かれてあって参考になりました。

質の高い本だと思います。

 

 

 

 

 

日本人が一生使える勉強法 (PHP新書)

日本人が一生使える勉強法 (PHP新書)

 

小説『黄金の庭』  高橋陽子  レビュー感想

本屋さんに行った時に、タイトルと表紙に惹かれ買った本です。

162ページだけど、ストーリーがしっかりとしています。

 

この小説もなかなかの独特具合です。

なんていったって、ありきたりで平凡な日常の中に、閻魔様や喋るオパールの指輪、動くしゃちほこなどが普通に溶け込んでいるのです。

 

 

起こる出来事は現代の現実世界でそこらへんで起こっているような事なんですけど、

非現実が自然とストーリーの中に入り込んでいるという小説は、初めて読んだと思います。かといってメルヘンチックな感じでは全然ない。

 

 

どこかで大いに盛り上がるといったこともなく、フラットな状態で読み続けることが出来ました。

 

 

 

黄金の庭

黄金の庭

 

 

 

小説『スーツケースの半分は』  近藤史恵

 

 

スーツケースの半分は

スーツケースの半分は

 

 本屋さんに寄ったときに表紙とタイトルに惹かれ買った本。

中身をちらっと見た時に、海外に憧れはあるものの、一度も行った事が無い、行く度胸がない私とかぶる部分がありまして、即購入いたしました。

 

章ごとに主人公が変わるのですが、第一話は、私と同じく海外に行ってみたいけどパスポートさえ持っていない真美。英語は出来ないし、海外の事もわからない。

満員電車で大きなスーツケースを持った女性が席でいねむりしているのを見て迷惑と嫉妬を感じるあたりリアルだなと感じました。

 

結婚して旦那がいるのですが、海外に行きたいと言っても、老後でいいだろと言われる始末。

 

 

そんな真美がある日フリーマーケットで、鮮やかなブルーのスーツケースを発見し、そこからストーリーは展開していきます。

 

 

スーツケースは真美から友人へ次々と渡っていき、最終的には戻るべきところに戻るのですが、内容はくどくなく、現実でもあるあるなリアル感があってとても読みやすかった。

 

 

何回でも読みたい本です。

 

 

 

 

 

 

児童文学『雨ふる本屋』  日向理恵子

 

雨ふる本屋 (単行本図書)

雨ふる本屋 (単行本図書)

 

 

本屋さんでなんとなく表紙とタイトルに惹かれての購入。

今回読むのは二回目ですが、前回も今回も読んでいる時は雨が降っていました。

 

本がズラッと並んでいる光景は見ていてなんだか落ち着きます。

主人公は小学生の女の子。

 

生まれたばかりの妹に嫉妬や不満を抱いている女の子ですが、

物語最後にはちょっぴり大人になっています。

 

 

気付くと背の高い本棚の迷路をさまよっていますが、行きついた場所は雨降る本屋。

そこで不思議な冒険をします。

 

 

雨が降った時にはまた読みたい。

 

 

からくり夢時計―DREAM∞CLOCKS

からくり夢時計―DREAM∞CLOCKS

 

 

鉄道少女漫画  中村明日美子

 

鉄道少女漫画

鉄道少女漫画

 

 鉄道マニアではないのですが、タイトルと表紙の絵のタッチに惹かれ買った漫画です。表紙にいる人々、それぞれ物語の主人公として出てきます。

 

 

内容は勿論鉄道にまつわるものなんですけど、

一話一話が別で味が違うストーリーなので面白いです。

 

 

 

ケーキ屋さんの奥に大人が鉄道の模型で遊んでいる空間があったり、レズが鉄道で繰り広げるシュールな物語だったり、実はあっちの世界と繋がっていたりなど、

それぞれストーリーの味が違っていいです。

 

小説『ちょうちんそで』 江國香織  レビュー

今日は、江国香織さんの『ちょうちんそで』のレビューです。

2013年発行。

これは、暇つぶしに本屋さんに行った時にたまたま発見した小説です。

本屋さんの書評が良いのと、表紙が凄く可愛いので是非とも読んでみたいと思い購入いたしました。

 


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今回で読むのは二回目ですが(三年ぶりに読んだ)、一回目の時よりも感じる事が多かったので書いていきたいと思います。

 

 

主人公は記憶の中にある妹と共に生きている50代の女性です。

(記憶と共にっていうくらいだから、妹は死んでいるのかと思いきや、主人公の知らない遠い場所で生きています)

 

 

 

しかし、主人公は妹を探すことも諦め、現実世界の人間関係も疎かに、

若い頃の妹の記憶と共にいつも過ごしているという、風変わりな内容。

 

 

内容全体がスッキリしていてとても読みやすいです。

そして独特の世界観があります。

姉妹の過去の記憶が度々出てくるんですけど、姉がいる私にとっては小説を読みながら一緒に懐かしいような気分を味わっていました。

 

 

 

登場人物は他にもいて、主人公の息子たち、息子達の嫁、彼女。

主人公と同じマンション内に住む人たちなどそれぞれちゃんと性格や感じ方が違い、そこも読んでいて面白かったかな。

 

 

 

それぞれに過去の記憶というものがあって、

それは主人公もそうなんだけど、とてもきれいと言えるものだけではないです。

 

 

むしろ、覆い隠したいような記憶があったりと、

「やっぱ人間てそうだよね」と言いたくなる人間臭い部分もあって、

全体的にはふわっとした印象の小説なんだけど、

その人間臭い部分がアクセントになっているなと思いました。

 

 

主人公は妹がある時にある男と駆け落ちしてから会ってないとのことですが、

その駆け落ちの相手が元妻のところへ戻ってしまったという事実は聞いており、そこから妹は行方不明になってしまう。

生きているのかも死んでいるのかもわからない状況ですよね。

 

 

それに対してよく遊びにくる隣人は人を殺してしまったという過去の記憶を持つ男だったり。

ちょっと怖いんだけど、独特の小説の雰囲気がその怖さを消しています。

 

その隣人は主人公の事を気にかけて、主人公の元へと度々訪れるのだけれど、

本当に気になっているところは主人公の行方不明の妹の事だったりして(自分の過去の記憶とリンクさせている)

あとになってからじわりじわりとくる感じです。

 

 

 

終わり方は、結末がどーーーん!みたな感じではなく、さらっと流れる感じで終わっています。なのでそれぞれ登場人物の過去の記憶の謎などは解かれることはないのですが、そもそも記憶なんて定かなものではないということで、

結末も何もないのかもしれません。

 

 

 

主人公もその妹も可愛らしくてちょっと問題児で年齢に合っていないその雰囲気が私は結構好きでした。

 

 

 

 

数年に一回、落ち着いた午後になんとなく本棚から出して紅茶でも飲みながら読みたい一冊です。

 

 

ちょうちんそで (新潮文庫)

ちょうちんそで (新潮文庫)

 

 

 

ホットロード    紡木たく

小説だけではなく味のある漫画もダイアリーにおさめていきます(^-^)

 

 知る人ぞ知る名作、ホットロード

 

 

ざっと説明すると80年代頃の不良な少年少女達の青春ラブストーリーなんだけど、これがなんとも切ない...

 

読んでると完全にこの世界に入ってしまうので要注意です。

 

 

 

これは私が中学生頃かな。

ちょっとだけ悪な友達からすごくおすすめされて読んだことがあるんだけど、そのときはまだあまりしっくりこない感じだったんですよね。

 

 

 

それが....

 

 

 

なぜか大人になってからあの漫画なんだっけって無性に読みたくなって、色々検索してやっとみつけた漫画。

 



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当時は単行本だった気がする。

 

 

 

これ、実は数年前に映画化もされてるんですよね~。

主演が三代目J Soul Brothers登坂広臣さんと、能年玲奈さん。

 

当時旬の二人です。

 

 

映画の予告にもあるんだけど、
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「夜明けの蒼い道

 

赤いテイルランプ

 

去ってゆく細いうしろ姿

 

もう一度

 

あの頃のあの子達に

 

逢いたい」

 

 

 

 

 このセリフ....

 

もう、胸がぎゅっとなっちゃいます!

本当に世界に引き込まれます。

 

 

もちろん映画は見に行きました。

三代目とかその頃ほとんど知らなかったんですけど、この映画をきっかけに登坂さんが好きになってしまい、今ではコンサートにも行くまでになりました(笑)

 

 

 

なんか、本の方はただただ懐かしくて切ない。

映画はなんとなく今の時代にもありそうな感じで作られてる。

 

どっちも好き、だけど

切なくなるので要注意(笑)

 

 

 

ってか読んでて思ったんだけど、この時代にもローソンあったんた!(笑)



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ホットロード 1 (集英社文庫―コミック版)

ホットロード 2 (集英社文庫―コミック版)

 

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